人事・労務管理・産業医サービス(ひまわり産業医事務所)
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INTERVIEW04
四国開発フェリー株式会社
取締役蝶野 様総務部部長村上 様

実務面はもちろん、社内モラル向上や意識改革に 横本事務所の果たす役割は非常に大きなものとなっています。

四国開発フェリー株式会社の総務部は、グループ企業合わせて約350名の労務管理を行っています。7年前に横本事務所と出会ったことにより、さまざまな改革を実施。優秀な人材の確保も叶えています。

四国開発フェリー株式会社の歴史をおうかがいします。

当社は1972(昭和47)年にフェリー事業をスタートした海運会社で今年50周年を迎え、現在は東予港と大阪南港、新居浜東港と神戸港の2航路が就航しており、陸運業や倉庫業、旅行業などにも取り組んでいます。
 
またグループ企業には、八幡浜港と臼杵港を結ぶ九四オレンジフェリー株式会社があり、他にも船舶貸渡業や陸運業、飲食業を営む企業もグループに名を連ねています。
 
ほぼ毎年、海上勤務、陸上勤務の社員を採用しており、四国と本州・九州間の海上物流や人流を支える企業として地域に貢献しています。

横本事務所に依頼するに至った経緯をお聞かせください。

当社と横本先生とのお付き合いは2016(平成27)年に始まりました。それまで人事労務管理は総務部が行っていました。しかし当時、国内では働き方改革が進められており、「各法案が成立し、施行された時に、総務部では対応が難しくなる」という社内判断となりました。
 
そこで経営陣の知人を介してご紹介いただいたのが横本先生です。最初お会いした時に、「ここまでの規模の会社の労務関係を、よく内製化で対応してきましたね」と横本先生にはびっくりされました。一方で、横本先生には問題点をズバズバと指摘していただきました。特に着目されたのは労働環境の整備であり、就業規則なども時代にそぐわない面もあったので、ここをしっかりしないと人材確保にも影響が出るという助言をいただきました。
 
お話を進めるうちに1番の問題点と指摘されたのは、勤怠管理でした。横本先生と顧問契約を結ぶ以前は、きちんと管理ができておらず、まずは手書きの勤怠管理票から始め、その後は時間をかけて当社の労務環境をチェックしていただき、徐々に整備を進めていただきました。

2年前に大きな改革に着手したそうですが、どのようなものかご説明ください。

全ての基礎となる勤怠管理は2年前に着手し、順次整備を行って完全始動したのが2021(令和3)年4月です。具体的には勤怠管理のクラウド化、給与計算ソフトの入れ替えなどが行われました。これにより正確な勤怠管理ができ、これを元に給与計算が効率的にできることで、総務部の業務が随分軽減され、その分を他の業務に注力できるようになりました。
 
クラウドによる勤怠管理は、社員の意識改革にも繋がりました。例えば勤怠管理を手書きしていた時には、数分程度の遅刻はお目こぼしされていたのですが、クラウドではそれは不可能で、社内の空気を引き締め、定時意識を醸成させることができました。
 
時間外勤務にも届け出が必要なので、本当にやるべき残業を見極めることができます。「上司が残業していたら帰りにくい」という雰囲気もありましたが、オンタイムに集中して仕事をするという意識付ができてきました。

こうした社内の改革に対して、社員からの反発はありませんでしたか。

表立って反発するようなことはありませんが、社員の立場になってみれば「これまで良しとされていたことが認められない」というのは、面白いことではないことが想像できます。
 
しかしスムーズに移行できたのは横本先生のお陰だと思っています。というのも節目節目で当社に足を運んでいただき、社内セミナーの形で「なぜ」と「どうなるか」についてしっかり伝えていただけるのです。当社は大阪や八幡浜、臼杵にも拠点がありますが、各拠点ともオンラインで結んで情報を共有しました。
 
最近では職場ハラスメント、育児休暇などについてのお話をしていただきました。社内の意識改革は着実に進んでいます。

横本事務所への依頼は、他にどのような効果を生みましたか。

明確な効果として見えてきたのは採用活動の後押しになったことです。かつて当社は縁故採用がほとんどでしたが、企業として大きく成長するためには、特に能力の高い若手を積極的に採用することの必要性を痛感していました。当社は地元出身者を大切にしたいと考えてきましたが、拠点のある西条市は大学や専門学校はありません。
 
西条出身の大学生となると、全国の企業がライバルです。新規採用の方針を見直すことは必須であり、具体的には学生が知りたい労働条件をしっかりと示し、かつ入社後も勤務実態と齟齬がないようにしなければいけないという結論に至りました。この方向性で横本先生のご指導のもと就職環境を改善し、おかげさまでここ数年、定着率も大幅に改善されています。

今後、蝶野取締役が横本事務所に期待することは?

当社はグループ企業も多岐にわたっており、船員、デスクワーカー、調理師、料理人、清掃員、運転手など職種も実に多様です。職種が異なれば浮かび上がってくる問題点も異なるわけですが、多様な顧客の問題解決をしていた横本先生にしか当社の顧問はできないと実感しています。また横本事務所は副所長をはじめ人材が豊富。こうした所員の皆さんの存在も非常に心強い限りです。
 
これから取り組みたいのは人事評価システムの確立。人事考課を数値化し、頑張った人が評価されるという職場にしたいと思っています。横本先生は月に1回、当社に足を運んでくださり、経営陣や村上部長を交えたミーティングを行っています。そこで新たな課題を見つけて、優先順位をつけて取り組んでいますので、今後もサポートしていただきたいですね。
 
時には言いにくいこと、耳の痛い苦言をいただくこともありますが、先生は当社のことを「うちの会社」と呼ぶほど愛情を持ってくださっています。社員研修も先生にお願いしており、当社にとってなくてはならない人です。

村上部長はいかがですか。

現場担当者としては、煩雑な事務作業を効率化するためのロードマップを整備していただき、またそれを実現していただいていることに大きく感謝しています。また蝶野取締役が説明したように、当社は他の企業と異なり多種多様な職種を抱え込んでいます。
 
それぞれの事務手続きは煩雑にならざるを得ず、また不明なことも多々発生します。今は「困ったら横本さん」とばかりに何でも相談させていただいています。
 
打てば響くとの言葉通り、スピーディに答えを出してくださる点も非常に有り難いです。これからもよろしくお願いいたします。
 

社労士 横本より

四国開発フェリー株式会社では、2018年から就航を開始した新造船「おれんじえひめ」「おれんじおおさか」で日本初の完全個室フェリーを実現しました。プライバシーを大切にしている近年の旅客には大変好評です。
 
一方で個室主体になるということは清掃スタッフの確保が必要。ただ船が停泊する東予港は、駐車場は十分にありますが市街地からは離れています。そこでマイカー通勤であっても通勤手当を条件に加えることをアドバイス。応募者を増やすことができました。小さなことではありますが、働く人のニーズをしっかりと掴み取って、安定して良い人材を確保できることを願っています。
 
この会社のフェリーは、専用コックが船上で調理する料理にも定評があります。そんなお客さま想いの会社ですが、古くから従業員に対してもやさしい会社であることは間違いありません。そうした土壌があったからこそ、改革も上手くいっていると感じています。
 
ファンネルマークはオレンジ地に青・オレンジ・緑でSafety、Speedy、Servisの頭文字をとった「3S」のマーク。また操舵室には社訓である「昨日より良い今日とする、今日よりも良い明日とする」との文字も刻まれており、会社の姿勢を共有できる状況に私自身感動しています。

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